ラジウム夜光塗料の実験

ロレックスでは、1963年頃まで夜光塗料に放射性物質のラジウム(ラジウム226)を使用していました。放射能を有したラジウムが混ぜられた塗料は、外部から光源を得ずとも、暗闇で発光することができます。これは、ラジウム自体が発光するのではなく、ラジウムが放つ放射線が塗料に混ぜられた蛍光物質の電子にエネルギーを与え、受け取った電子が元の安定した状態に戻ろうとする過程で発光するという仕組みです。

50年代のラジウム夜光が使われた短針です。 50年代のラジウム夜光が使われた短針です。暗所では、緑色にぼやっと発光していたと思われます。サーベイメーターを使い上方3㎝のところで計測したところ、約10μSv/hでした。ブラックライトに当てると、緑に発光します ブラックライトに当てると、緑に発光しますが、暗所での目視では、僅かな発光すら確認できませんでした。

 

ラジウム226の半減期は約1600年ですので、世の中に存在するラジウム塗料の放射線量は製造時とほぼ同じと予想されます。 では、この短針が発光しないのはなぜでしょうか。 仮説として、約70年間、放射線や紫外線などにさらされて蛍光物質が劣化してしまい、僅かな放射線では発光しなくなったのではないかと考えました。

 

そこで、小さく切った紙を一般的な蛍光ペンで塗りつぶし、乾燥させたものを用意しました。 そこで、小さく切った紙を一般的な蛍光ペンで塗りつぶし、乾燥させたものを用意しました。ブラックライトに当てると鮮やかに発光します。 ブラックライトに当てると鮮やかに発光します。

 

直接針の夜光塗料と混ぜることは出来ませんが、十分に放射線を受ける距離にあると思います。 直接針の夜光塗料と混ぜることは出来ませんが、十分に放射線を受ける距離にあると思います。暗所で目が慣れるまで待ち確認します。暗所で目が慣れるまで待ち確認します。予想に反して、蛍光ペンで塗った紙は全く反応しませんでした。

 

私の仮説が間違っているのか、実験の方法に問題があったのか原因はわかりませんが、残念ながら今回の実験では暗闇でぼんやりと自発光する夜光塗料を確認することはできませんでした。問題を突き止め、再度挑戦してみたいと思います。

 

梅雨の晴れ間の休日に都内を散歩してきました。 梅雨の晴れ間の休日に都内を散歩してきました。早くマスクを外して生活できるようになりたいですね。