時計を購入し、時刻合わせよりも先に行う調整といえば、ブレスレットを自分の手首に合わせることではないでしょうか。大半のモデルがコマ数とバックル内の留め位置で調整することとなり、その際は適切な工具、工程を経て作業を行わないと、コマネジが簡単に変形してしまいますので想像以上に難しいものです。
緩めるにも締めるにも、正しい幅、厚みのドライバーを使用しないと、すぐに変形してしまいます。 しっかりと締めないと脱落の恐れ、締めすぎれば変形と、見極めが難しいのがコマ調整です。特に金やプラチナモデルは職人技と言っても過言ではないのではないでしょうか。
例え適正なドライバーを使用しても、闇雲に回していいわけではありません。ネジ部分には緩み防止剤が塗布されていますので、温めてから作業することで少ない力で外すことができます。また締めるときにも塗布するのですが、適量を守らないとリンクの動きが悪くなったり、ネジの固着の原因となります。 同じブレス内でも、長さの違うネジが使われている場合もあります。
モデルによっては、スペーサーが入っている場合もあります。入れ忘れるとガタつきが大きく出てしまうので注意が必要です。 長く使用しているとコマネジが緩んでくることもあります。
中でも、セーフティキャッチが付いたモデルでは、緩んで飛び出たネジの頭に接触して、セーフティキャッチが脱落する可能性もあります。
簡単そうに見えるコマの調整ですが、気をつけることが多く、慣れない方が作業した形跡が残っているブレスが多くあります。サビや汚れによる固着はある程度仕方がないにしても、道具の不備や不慣れによるキズは回避したいですね。