今回は、ヴィンテージロレックスの購入をお考えの方に是非知っておいていただきたい、古い時計の注意点をご紹介いたします。
ヴィンテージという言葉は、元々ワインの良い条件がそろった収穫年を指す言葉で、そこから、経年により良い味わいがでたもの全般を指すようになったようです。ここでは、プラスチック風防を装着したモデルとさせていただきます。
Ref.1016 製造から約40年、
前回のメンテナンス時期は不明です。 風防の縁を覗くと、茶色いサビとひびが確認できます。
ベゼルを外しました。
隠れていた部分にサビが発生しています。 ベゼルにも側面、底面にサビが出ています。
風防は、サビの付着とひび割れが確認できます。 サビを落としました。
サビは取り除きましたが、
浸食された痕が残ってしまいました。 同じく、ベゼルにも痕が残ってしまいました。
新しい風防を取りつけました。 本来は、このように覗き込んでも
何も映らない状態です。
これからヴィンテージモデルの購入を検討されている場合は、サファイアクリスタル搭載モデルに比べて、防水性の低下が早いことと、素材の違いから起こるサビやすさをご承知おきください。防水性の低下とは、風防の劣化が早く、本来の性能が失われやすいことです。素材の違いとは、ヴィンテージロレックスには、ステンレス316Lという硬いステンレスが採用されています。後に採用されたステンレス904Lと比べると、耐腐食性に劣り、同じように使用しているとサビの発生が早くおこる可能性があります。更に、ケースなど構成部品が購入時点ですでに腐食痕などがあり、防水性が低下していたり、最悪は全く機能していない個体も存在しています。今回ご紹介したのはRef.1016ですが、サビはダイバーズウォッチのRef.5513や1680、1665でも同じように起こります。防水性だけに限らず、あらゆる面でヴィンテージロレックスはメンテナンスのサイクルが現行品に比べ早く、手がかかることを十分ご理解した上で、最高の1本と巡り合えることを願っております。
釣り場で出会った猫ですが、釣れた魚を貰うために、後ろで静かに待機しています。釣れないとわかると直ぐに次の釣り人のところへ行ってしまうので、釣り人の腕前が試されます。