今回は、Ref.16520 Cal.4030 X番をご紹介いたします。
こちらは、リューズ手巻きによる巻上ができないとのことでお預かりしました。できればオーバーホールではなく部分修理での対応を希望とのことですが、裏蓋を開けたところ、サビが大量に発生していましたので、オーバーホールが必須の状態でした。それでは原因をさがしていきましょう。
機械全体にサビがまわっていて、 一見して部分修理では済まないことがわかります。
テンプの受け石はオイルが切れ、
天真の跡が摩耗していました。 アンクルのツメ石にもサビが付着しています。
大量に発生したサビの原因はここのようです。 サビによって動きの悪くなった丸穴車を強引に
回そうとしたために、ツヅミ車の歯が変形して
しまったようです。
使えるものは出来るだけ、磨いて再使用をしていますが、再利用が出来ないものは交換となります。交換点数が増えれば、修理料金も高額なものとなってしまいます。不具合が出る前に、定期的なメンテナンスを受けることで、機械の状態も良く保たれ、修理代も抑えることにつながるかと思います。