今回はデイトナに搭載されている、Cal.4130の珍しい症状をご紹介いたします。
精度の著しい低下とのことで持ち込まれましたので、ショックバネ外れや、ヒゲゼンマイの変形など、可能性の高い順にチェックしていきましたところ、滅多に起こらない症状が起きていました。
この画像からおわかりいただけますでしょうか…
良品と並べてみました。上が良品です。
ヒゲゼンマイが衝撃などで絡んでしまうのを
防ぐ部分のカシメが緩み、ズレてしまっています。
その結果、ヒゲゼンマイの巻上部分が接触しています。
本来ならば、この程度の余裕があります。
部品が落ちていてもおかしくない状態でした。
今回は、症状（精度の低下）が出てすぐにメンテナンスにお持ちいただいたため、重大な破損は避けることができました。
もしも、このまま使用を続けていた場合、緩んだ部品が落下し、ヒゲゼンマイに致命的な損傷を与えていた可能性も十分に考えられます。
症状からでは内部でどのようなことが起きているか100％はわかりませんので、今回のように異変を感じましたら、早めのメンテナンスをオススメいたします。