今回は、メンテナンス歴不明のCal.1570をご紹介いたします。
メンテナンスの履歴が確認できなかったので、前回のメンテナンスからどれほどの期間があいているのかは不明ですが、機械にかなりサビが発生していましたので、適正な時期は過ぎていることは間違いなさそうです。
裏蓋を開けると、直ぐに大量のサビが確認できました。自動巻き機構にもサビがついていました。
中でも、丸穴車のサビは特にひどく、摩耗により
正常に巻き上げることができないほどでした。
先端に秒針がつく、秒カナです。こちらもサビが
ひどい状態です。他の部品もサビがひどく、
正常に動作する状態ではありませんでした。
Cal.1570は、1960年代中頃から80年代後半まで製造されていたムーブメントですが、後期モデルでも、約35年経過しております。
名機と呼ばれるCal.1570であっても、メンテナンスを受けていなければ、オイルも切れますし、サビも発生し、各部の摩耗も進んでしまいます。更に、このムーブメントを搭載したモデルはプラスチック風防が装着されていますので、防水不良の心配もあります。
定期的なメンテナンスで大切な時計を良い状態で、令和に引き継いでいただきたいと思います。