止まってしまったCal.3136のオーバーホールの様子をご紹介いたします。
時計を手にした段階で、リューズを手巻きした際の抵抗感の少なさから、ゼンマイ切れを強く感じていましたが、メンテナンス間隔もあいていることから他部分にも不良個所がありそうです。
予想通りゼンマイは切れていました。分解作業を進めていくと、
4番車を引き抜くときに引っ掛かりを感じました。
拡大してみると摩耗がかなり進行しており、
交換が必要な状態です。4番車は地板の中心を貫き、
先端に秒針が取り付けられています。
そのためCal.3136、3155、4針用などの厚みのある
ムーブメントにはホゾが長いタイプが使われています。
こちらは分カナと呼ばれる部品です。
4番車の摩耗した際の異物が中に
残っていないか注意して確認する必要があります。交換した4番車、香箱を組んでいきます。
パワーリザーブや時間の調整をして納品となります。
ゼンマイ切れのように時計が止まっているとわかりにくい不良個所も多々あり、修理見積時には気をつけなくてはいけません。