外装の洗浄に続き、今回はムーブメントのオーバーホールを行ないます。
ダイヤル全体が綺麗にエイジングしています。代えのきかないダイヤルの作業は神経が磨り減る作業です。ケースに隠れるフチ部分に当時のダイヤルの名残がありました。インデックスの下も同じように、鮮やかなブルーが残っているのでしょうか…
ロータ―の真が摩耗によりガタついていたために、受けにぶつかっていました。 ぶつかった受は表面が削れ、粉がムーブメント全体に散らばっていました。
リバーシングホイールにも不良がみられましたので交換となります。 分解、洗浄、と不良個所の交換と調整を施し、組み上げていきます。
Cal.3035は、カレンダーの切り替わりなどに問題が出る個体が多く、こちらも各部の調整を必要としました。 Ref.16613 V番の美しく深いブルーと比べると、
約40年という時間が視覚で感じることができます。 ケーシングし、最終チェックとなります。
長い時間をかけて変化したものには、一つ一つに違った味わいがあり、その時計の歴史そのものを物語っています。また数年後にメンテナンスで来る日が楽しみになる1本でした。クラウンマイスターズでは、ヴィンテージロレックスの持つ味わいを大切にし、変化を邪魔することなくメンテナンスを施すことを心掛けております。