シードゥエラーは、ダイバーズウォッチの中でも特に深いダイビングの際に用いられる飽和潜水を想定された、まさにプロ中のプロの為のモデルです。最大の特徴は、9時位置に搭載されたヘリウムガスエスケープバルブで、加圧時に分子の細かいヘリウムガスがケース内に入りこみ、減圧時にケース内が高圧になることで内側から破損する問題を、バルブが高圧のガスを逃がすことで解決したものです。しかし、この高圧に耐えるために付けられたバルブも劣化が進むと、防水不良の原因となることがあります。
Ref.16660
約40年前のモデルで、検査の結果、
エスケープバルブの防水不良が認められました。 バルブを外しました。
このバルブ内のパッキン等の劣化によって、
防水不良となってしまいます。 エスケープバルブ専用の工具を使って取りつけます。
Ref.16660はエスケープバルブがケースに対し、
やや引っ込んでいます。
一部モデルを除き、ロレックスの防水性能であれば、日常生活で水が入ることは殆どありません。ならば、シードゥエラーの1220m防水であれば、日常生活で水が入ることはありえないと考えるのは早急かもしれません。全てのロレックスに言えることですが、本来の性能を発揮するためには、適正なメンテナンスがされていることが前提となります。シードゥエラーの場合、他のモデルよりもバルブがある分、劣化する箇所が増えているとも言えるからです。無骨なケースにオーバースペックとも言える防水性能を持つシードゥエラーは、とても魅力的ですが、メンテナンスには特に気をつけなくてはいけないモデルであることもご承知おきください。