今回は、誤って洗濯機に入れてしまったRef.116520をご紹介いたします。実は、洗濯機で洗濯してしまったという修理、点検依頼はかなり多くあります。そのほとんどは、クリスタルの内側が曇っている。又は、水滴がついているという水入りによるものですが、こちらのロレックスはどうでしょうか。
内部の点検では、水気やサビは確認できませんでしたが、クロノグラフの動作不良が認められました。 原因箇所となる部分ですが、衝撃によってハンマーヨークのネジが折れています。
その結果、クロノグラフをリセットするためのバネの力によって、ハンマージャンパーがハンマーヨークの下に潜り込んでしまい、隙間があいてしまいました。フライバックレバーがポストから外れているのがわかります。 浮き上がったハンマーヨークがハンマーを持ち上げてしまい、押えているネジにかなりストレスがかかっていましたが、幸い、部品自体に大きな歪みはありませんでした。
ローラーと呼ばれる赤い石の部品が外れています。 本来であれば、フライバックレバーとローラーはハンマーヨークの下でこの位置にいなければいけません。
衝撃の大きさからオーバーホールは必要となりましたが、直ぐに点検にお持ちいただいたために、交換部品は折れたネジのみで済ませることができました。もしも使用を続けていた場合、外れた部品がローターと接触し、部品の破損や大きなキズができたりと交換部品が増えてしまっていたと予想できます。時計に不安があるようなことが起きた際は点検にお持ちいただくことをオススメいたします。
季節が進み、朝夕と肌寒さを感じ始める10月は、各地でワカサギ釣りが解禁されます。今シーズンこそは3密のため控えていたドーム船に乗ろうと思います。