今回は、剣回し不良で修理に持ち込まれた2本のロレックスをご紹介いたします。
Cal.2235 日の裏車の歯が欠損、変形しています。 問題の日の裏車です。自然にこのような破損することはありませんので、操作方法などに問題があったと考えられます。
小鉄車に折れた歯が挟まり、リューズが回らない状態となっていました。 メンテナンス不足によって筒カナのオイルが切れ、回そうとする際の抵抗が増していました。以上のことから原因は、抵抗が増したところに力任せにリューズを回したことで、日の裏車の歯が耐えられずに破損したものと考えられます。
Cal.3175 GMTマスターに搭載されていたキャリバーです。短針の単独操作は出来ませんが、カレンダーの早送りができるので、使いやすいモデルですが、先代のCal.3075同様、筒車の歯が小さく、手荒い操作をすると破損させてしまうことが多々あります。 欠けた部分で空回りしてしまい、剣回しができなくなるというものでした。
引っ掛かっているのに無理やり動かしたり、高速でリューズを回せば内部を余計に痛める原因となります。機械式時計の内部は、小さな部品が詰まっていますので、小さな異変にも気が付けるように丁寧な操作が望まれます。
各各地で線状降水帯による大雨で被害が出ています。私の好きな福島県裏磐梯でも土砂崩れによる被害がありました。現地のかたの安全とライフラインの復旧を願います。