今回は、オーバーホールでお預かりした、Ref.16610 サブマリーナーの破損したブレスレットをご紹介いたします。時計本体の状態よりも、ブレスレットの傷みが酷く、修理が必要な状態でした。
93250 まず目に飛び込んでくるのは、バックルのロック部分の破損です。 ロック外れの原因は、本来広がっているピンの末端が使用による摩耗で痩せてしまったことによるものです。
同じピンですが、よく見てみると隠れている部分も摩耗、変形していることがわかります。 コマ部分の摩耗も進んでいます。
左右に曲げてみると、コマに隙間ができていることがわかります。 裏側を見るとさらに摩耗具合がわかります。
ゴールドの場合、摩耗が極度に進むとコマネジが露出するようになってしまい、最後はブレスレットが切れるように外れ、落下の恐れもあります。
外れたロック部分はピンとスペーサーの交換で直すことができますが、コマ部分の摩耗は交換での対応となってしまいます。今回の様に、ブレスのコマ間の隙間ができる原因の一つに、ブレスのサイズ調整が適切でない可能性があります。近年、時計本体の大型化に伴い、重量も増しています。ブレスサイズが長すぎて、時計が腕で遊んでいる状態ですと、腕の動き以上に時計が動いてしまい、そのたびにブレスには必要以上の負荷が掛かってしまいます。
出先で見つけた、リュウゼツランです。花を咲かせるまでに非常に時間がかかる植物で、こちらのお宅では60年かかったそうです。