今回は、機械式時計の精度の要である、テンプに起こった様々なトラブルをご紹介いたします。
ヒゲゼンマイが片側に寄ってしまっています。ヒゲ持ちに近い部分で曲がると起こります。逆にヒゲ玉付近で曲がると、ヒゲが震えるように伸縮する、ヒゲ振れとなります。 ヒゲが絡んでしまう、ヒゲ絡みという状態です。
テンプの石を抑えているショックバネの片側が外れています。KIFショックと呼ばれるショックバネで、強い衝撃が加わると、自らが外れることで天真の破損を防ぎます。 天真折れ ショックバネが搭載されていても、衝撃の大きさや方向によっては折れてしまうこともあります。
振り石という小さな石が外れています。この石が無いと、アンクルから力が伝わらずに、時計は不動となってしまいます。 ヒゲ持ち部分から切れています。
こちらは、先ほどとは反対にヒゲ玉付近から切れています。 こちらはかなりレアなケースですが、マイクロステラのネジ部分から抜け落ちてしまいました。
目に見えるテンプに起きる不具合の大半は外部からの衝撃によるものです。高い精度を保つためには、天真や支える上下の石に摩耗があったり、ズレていてはいけませんし、ヒゲゼンマイは理想の形状をしていないと、姿勢差が大きく生じてしまいますので、注意深く確認し、必要であれば調整、交換いたします。
千葉県にあるカルフォルニア、千葉フォルニアに行きました。車を停めて撮影スポットに移動している間に、タイミングを逃してしまいました。