今回は、摩耗が極端に進んだCal.2235の部品をご紹介いたします。
オーバーホールで持ち込まれたRef.179171です。
綺麗なピンクダイヤルですが、時計を振るとカチカチと異音がしていました。 異音の原因は、腕の動きを利用してゼンマイを巻き上げるためのローターと呼ばれる錘が、バックケースの内側に当たる音でした。なぜローターが当たってしまうかというと…
ローター真の摩耗が進み、ガタついたことです。ローター真の摩耗という症状は、それほど珍しいことではないのですが、ここまでの摩耗は、滅多にありません。 ローター真の摩耗で大量に発生したサビが4番車のホゾの摩耗につながったと思われます。
ローター真の摩耗は、使用していると仕方のない部分ではあるのですが、
異音や異常な振動を放置してしまうと、内部に余計なダメージを与えてしまいます。写真を撮り忘れてしまいましたが、今回ご紹介したロレックスもローターがあちこちにぶつかってキズだらけとなっていました。
異変を感じましたら、早めにメンテナンスにお持ちいただくことをオススメいたします。