カレンダー早送り機能付のムーブメントでは、やってしまうと内部の部品を破損させてしまう、やってはいけない操作があります。今回は、そのやってはいけない操作をやってしまった、Cal.3135をご紹介いたします。
時計は動いていますが、カレンダーがしっかりと切り替わらないままの状態で止まってしまいました。 ダイヤルを外して、カレンダー車の送り部分をチェックをします。画像の左側に注目してみます。
カレンダー車と、送りツメがぶつかった状態です。
本来であれば送りツメはカレンダー車の横を弾いて
カレンダー車を瞬間的に一つ送ります。 外してみると、山(歯)の先端に近い部分が潰れています。これは、針を戻す方向に操作し、送りツメ(カレンダー送り車)がロックしてしまった状態で、カレンダーの早送り操作をしてしまったことで起こります。これがやってはいけない操作です。
結果的に、中間車のカシメが緩んでしまい、カレンダー送り車に力が伝わらないようになってしまいました。
今回は、中間車のカシメが緩みましたが、他にも操作系の歯車の歯が欠けることもあります。
注意することは、時刻合わせの際に、逆回転しない。午後8時~午前4時の間はカレンダーの早送り操作をしないことで防げます。Cal.3185などは、カレンダー早送り機能がないので、この現象はありませんが、同じ4針でも、Cal.3175は早送り機能がありますのでご注意ください。
水辺のレジャー後に、蚊とは違う猛烈なかゆみに襲われた場合は、この小さなヌカカの仕業かもしれません。
症状が出ない方もいるようで、釣り人としては羨ましい限りです。