今回は、Ref.16233G 約30年前のデイトジャストをご紹介いたします。
お持ちいただいた際に、リューズが外れてしまったとのことでしたが、裏蓋を開けてみると、リューズだけというわけにはいかないような状態でした。
裏蓋には腐食が始まっていました。
この程度でしたら、専用のサビ落としで擦れば、
跡も殆ど残らずに落とすことができます。 自動巻き機構から発生したと思われる金属粉が
機械全体に広がっています。
自動巻き機構を分解しました。リバーシングホイル
(赤い車)が不良を起こし、受けに接触していました。
金属粉は削れた受けから出ていたようです。 ホゾのオイルも切れています。
摩耗が進む原因となります。
アンクルのツメ石もオイルが切れているうえ、
汚れが付いています。テンプが正常に動かず、
精度低下の原因となります。 リューズの外れた原因は、巻真が折れたことによるものでした。オイル切れによって各部の動きが悪くなったところに、リューズで巻き上げたことで、想定以上の力が巻真にかかってしまったようです。
表面が曇っていますが、優しく磨くことで元の輝きを
取り戻すことができます。 多数の交換部品が出てしまいましたが、
無事に組み上げ完了です。
美しいブルーグラデーションのダイヤルに、輝いた針がとても映えます。Cal,3135は登場から30年を超えていますが、まだまだ持ち込まれるロレックスの中心です。非常に優秀なムーブメントですが、メンテナンスを怠っては台無しになってしまいます。また、防水面の心配もありますので、定期的なメンテナンスをオススメいたします。
船舶免許の更新講習を受講しました。レジャー目的の船舶は、機関故障での救助要請が多いとのことでした。
やはり機械はメンテナンスが大切ですね。