今回は、修理中におこるネジの折れこみについてご紹介いたします。
通常ネジは締め込んでいくと、被締結物(受け)に圧縮力がかかり、ネジには引張力がかかります。さらに、ねじ部分と座面の摩擦も加わり、しっかりと締結されています。
画像のように、常にかかっている引張力に耐えられず、ネジの頭にひびが入っています。こうなると、引張力、ネジの頭の摩擦抵抗が弱まり、結果、受けにかかっている圧縮力も弱くなってしまいます。 ムーブメントをケースに納めた際に、突っ張ってガタつかないようにする
キドメネジが折れてしまっています。 分解時に気が付けば良いのですが、修理完了後のケーシング時に折れると悲劇です…。
折れこんだネジは除去しなくてはいけませんので、慎重に作業します。 無事に取れました。
折れこんだ上に、ネジ溝に食い付いていると除去作業が難航してしまいますので、折れた時は初動が重要です。今回ご紹介したキドメネジはツバがケースを突っ張ってムーブメントを固定するタイプですが、キドメ板を使うタイプも増えています。こちらは、仮に折れても除去が比較的容易です。
季節を知らせる花に彼岸花がありますが、近所に白い花が咲いていて、思わず撮ってしまいましたが、調べてみると珍しい種類ではないようでした。