今回は修理にお持ちいただきました、Cal.2236に搭載されているシロキシ・ヒゲゼンマイをご紹介いたします。
シロキシ・ヒゲゼンマイは、シリコンとシリコン酸化物の化合物でできている半金属であるため、磁気の影響を全く受けないことが特徴です。また、温度変化にも強いために高精度を維持できます。 厚みとピッチを可変することで、重力の影響を補正して姿勢の変化による精度を上げています。
受けと真には、ロレックス独自の固定方法により、今まで以上に同心性が高まりました。さらに弾性を利用した真への固定は振動の中心がズレる片振りを無くすことに貢献しています。一般的なヒゲゼンマイと比べ、10倍の耐衝撃性を備えていることから、通常使用における衝撃によるヒゲの変形もしないという、まさに理想のヒゲゼンマイといえるかもしれません。
ただし、シリコン製のヒゲゼンマイは非常に脆く、ひとたび想定を上回る力が加わるとパキッといってしまうという性質も持っています。
これから、Cal.2236 2232の修理品が徐々に増えてくるにつれ、長所、短所が見えてくるかとおもいますので、また、ご報告したいと思います。
愛車のサーモスタットと呼ばれる部品の交換をするために部品を取り寄せました。
温度変化によって、自動的に弁を開閉するこの部品が、僅か1000円ほどで手に入るとは、、、驚きです。