M番あたりから、搭載されはじめた、パラクロムヒゲゼンマイですが、実際に修理に持ち込まれるテンプのヒゲの寄りや振れが起きているものが少なく、ロレックスが公表している標準の10倍の耐衝撃性の実力を感じています。
しかし、このパラクロムヒゲゼンマイも限界を超えてしまうと、破断又は、修正不可能な変形をしてしまうという例が何度かありました。これは以前のヒゲゼンマイではほとんど起きなかった症状です。つまり、変形しにくい反面、限界を超えると修正不能となりやすいように思います。
今回ご紹介する、Cal.4130も以前のヒゲではあまり起きないような破損をしています。
テンプが左右に漂うように動いていました。見慣れない動きに、普通ではないことが直ぐにわかりました。 ヒゲ玉付近が破損しています。
原因は、ケースのキズからも、外部からの衝撃と思われますが、ショックバネの外れや、巻真が折れるよりも先にヒゲゼンマイが切れてしまうのは意外でした。
3.11から10年が経ち、改めて地震など災害への備えを見直してみようと思いました。