今回は、巻上できないとのことでお預かりした、F番 Ref.16600 Cal.3135をご紹介いたします。
10年以上メンテナンスをされていないこともあり、
ベゼルの回転が重く、隙間から汚れが出てくる
状態でした。 ムーブメントには、鉄粉が広がっています。
自動巻き機構一式を外したところです。
錆びた鉄粉が目立ちます。 本来、先端が見えているはずのリバーシングホイールのホゾが見当たりません。
摩耗が極度に進み、
ついにホゾが千切れてしまったようです。 ホゾを失ったリバーシングホイルは安定しないため、
それを無理やり回そうとした巻上車の歯が欠けてしまっています。
ここまで部品が削れてしまう前から、巻上時に普段とは違う感触や音があったと思われます。
10年間メンテナンスせずに使い続けることは、部品を極度に消耗させてしまいます。また、各パッキン類の劣化も進みますので、時計の状態を見極め、適切な時期にメンテナンスを受けていただくことをオススメいたします。
キャンプで使うナイフがすぐに錆びてしまうので対策を調べたところ、紅茶とお酢で簡易的に酸化膜をつけて予防できることを知りました。 ただし、作業中は強烈な臭いが出るので
注意が必要です。