今回は、突然止まってしまった、Cal.3035をご紹介いたします。
不動の原因はたくさん考えられますので、ムーブメントをチェックしていきます。
修理歴は不明でしたが、ムーブメントの状態は悪くなく、ゼンマイも切れていないようでしたので、分解を進めていくと、テンプにハックレバーが効いた状態のままになっていることがわかりました。これは、ハックレバーまたは、オシドリに問題が発生している可能性がありそうです。
やはり、ハックレバーが破損していました。 Cal.3035のハックレバーは、この部分が破損することが稀にあります。
通常時のハックレバーの位置です。 剣回し時に、スライドして、先端が天輪を押し付けることで、動きを止めます。
剣回しをする際に、オシドリがハックレバーをスライドさせて、テンプに押し付け、時計を止めます。しかし、引き戻すときにハックレバーが破損してしまい、時計が止まったままとなってしまったようです。
Cal.3035は生産が終了して30年が過ぎています。使用方法に問題がなくとも不具合が起きてしまうのが、現行品とヴィンテージの違いであることをご承知おきください。