ロレックス デイトナ Ref.16520 オーバーホール

今回は、Ref.16520 Cal.4030 X番をご紹介いたします。
こちらは、リューズ手巻きによる巻上ができないとのことでお預かりしました。できればオーバーホールではなく部分修理での対応を希望とのことですが、裏蓋を開けたところ、サビが大量に発生していましたので、オーバーホールが必須の状態でした。それでは原因をさがしていきましょう。

機械全体にサビがまわっていて、 機械全体にサビがまわっていて、一見して部分修理では済まないことがわかります。 一見して部分修理では済まないことがわかります。

 

裏まわりにもサビが出ています。 裏まわりにもサビが出ています。それでは分解していきます。 それでは分解していきます。

 

テンプの受け石はオイルが切れ、天真の跡が摩耗していました。 テンプの受け石はオイルが切れ、
天真の跡が摩耗していました。
アンクルのツメ石にもサビが付着しています。 アンクルのツメ石にもサビが付着しています。

 

ガンギ車 ガンギ車3番車 3番車

 

サビが確認できます。 サビが確認できます。輪列受の丸穴車です。 輪列受の丸穴車です。

 

大量に発生したサビの原因はここのようです。 大量に発生したサビの原因はここのようです。ツヅミ車の歯が変形してしまったようです。 サビによって動きの悪くなった丸穴車を強引に
回そうとしたために、ツヅミ車の歯が変形して
しまったようです。

交換したものと比べてみると、違いは歴然です。 交換したものと比べてみると、違いは歴然です。

 

使えるものは出来るだけ、磨いて再使用をしていますが、再利用が出来ないものは交換となります。交換点数が増えれば、修理料金も高額なものとなってしまいます。不具合が出る前に、定期的なメンテナンスを受けることで、機械の状態も良く保たれ、修理代も抑えることにつながるかと思います。