修理に持ち込まれる時計の中に、稀にブレスが伸びてしまっているものがあります。
今回ご紹介するのは、Ref.16610のブレスです。
12時側(短い方)の中ほどのコマとコマの間が
拡がっているのがおわかりいただけますでしょうか。削れたことによって、横方向のがたつきが大きくなっていました。
摩耗して、大きく形が変わってしまったコマネジです。一番細くなっている部分は、
元の1/3ほどになっていました。
通常、コマネジの摩耗よりも、より細いクラスプのピンの変形が先行して進むことが多いのですが、今回は、コマ部分の摩耗が著しく進んでおりました。コマネジが擦り切れて、時計が落下した事例は未だ聞いたことがありませんが、この画像を見る限り、コマネジやコマの中のピンが摩耗して細くなっていれば、強度の低下が予想されます。
ロレックスに限らず、ブレスが長すぎて、腕で時計が遊んでいるようにご使用されている方をみかけることがございますが、ブレスは適正な長さでご使用いただくことをおすすめいたします。