Cal.3175は、Ref.16750に搭載されていたムーブメントで、1980~88年頃まで活躍していました。ですので、後期のものであっても30年は経っていることになります。
その時計の歴史の中で、何度オーナーが代わったかわからないものがほとんどではないでしょうか。それは修理も同じです。長い年月の間に何度修理を受けたのか、また、どこでどんな修理をされたか不明なものが多いです。今回ご紹介する時計も、そんな時計の1つです。
動いてはいるものの、タイムグラファー
の表示は異常を示すものでした。異常個所を発見。天真の
鍔になっている部分が割れていました。
使用していて割れたとは考えにくい症状です。恐らくは、振り座と呼ばれる部分を抜く際に割ってしまったものと思われます。つまり、修理する者が壊してしまった可能性が高いことになります。作業中のミスを完全に無くすことは不可能ですが、壊れたままにするのはどうでしょうか…。
もちろん交換し、現在は正常な状態に修理いたしました。
ミスを0に近づけるよう努力しなくてはと、あらためて考えさせられる1本となりました。