Ref.114270 D品番 Cal.3130
機械式時計に大敵なものといえば、水分や衝撃が直ぐに浮かびますが、磁気も機械の精度を著しく悪化させる原因の一つです。
今回は磁気を帯びてしまい、精度の悪化と、ゼンマイ巻き上げ時の異音が出ていた Ref.114270 D品番 Cal.3130をご紹介いたします。
僅かに汚れが見えますが、約10年間ノーメンテナンスということを考えれば、使用頻度は少なかったと予想できます。自動巻上機構、こちらも特に目立った汚れは見受けられません。
かなり強力な磁気が入っているようです。本来ならば、作業前にあらかじめ消磁器で磁気を抜いておきます。
磁気抜きを含め、オーバーホールが完了いたしました。
精度も安定し、無事に異音もなくなりました。
時計は常にさまざまな磁気にさらされています。電化製品はもちろん、気付かないところに磁石が使われていたりしますので、注意を払っていてもいつの間にか時計が磁化していることはよくあります。
水分や衝撃のように、直接機械が壊れることはありませんが、時計にとって精度は命といえます。