ローター真の摩耗

時計に限らず、機械はメンテナンスをせずに使用していると、必ずなにかしらの症状がでてきます。
その症状は様々で、部品を分解、洗浄すれば解決することもあれば、何点もの部品の交換が必要になることもあります。
今回は、自動巻きに必要なローター(半円形の大きな部品)の真のオイル切れによる機械の状態をご紹介いたします。
 

LV.1購入から5年。使用頻度も少なかったようで、うっすらと受けの表面にローターの擦れた跡がついていますが、ローター真は研磨で対応いたしました。LV.2はっきりと擦れたキズが確認できます。金属粉も出始めています。ローター真の交換が必要です。

 

LV.38年間メンテナンスされていない状態でした。
ローターが擦れ始め、症状が悪化してくると、ローターが回る際に異音や振動がでてきます。
LV.4時間調整のみのご依頼でしたが、この状態では調整しても意味がありません。
ローター真は磨滅し、ガタガタな状態でした。機械全体に金属粉が回り、テンプの動きも極端に悪くなっていました。

 

LV.5ローター真が磨滅し、ローターの振動が増え、自動巻き機構の受けネジが外れてしまい、ローターとぶつかっていました。その結果、ローター自体の交換が必要になってしまいました。

 

気が付かないうちに、機械は消耗しているものです。
定期的なメンテナンスで、綺麗な状態で末永く使っていただけたらと思います。