Ref.16264 Cal.3135 K番(2001年製)
前回ご紹介させていただいたRef.16264、自動巻き機構の巻き上げ車穴石割れによる止まりの症状でのご依頼品のオーバーホールが完了いたしました。
今回のオーバーホールで交換した一部の不良パーツを新品パーツと並べてご紹介します。
今回の止まりの原因となった自動巻き機構の巻き上げ車穴石です。
割れた原因は衝撃によるものだと考えられます。右の不良巻き上げ車は歯車の真が折れてしまっています。
巻き上げ車を受けている穴石が割れてしまったために、上下の適切な位置で巻き上げ車を受けることができず、真に無理な力がかかってしまったことが折れた原因と考えられます。
傷んでいる二番車は右のほうです。
一見するとどちらもきれいに見えますが、一部分に大きな傷みが生じています。二番車を拡大すると歯先が変形しているのが見受けられます。
歯先に石の破片が入り込んだまま、歯車が回転しようとしたために変形をおこしていました。
二番車に限らず、このような歯先の変形は機械にとって致命的となります。